ITパスポートは、ITを利用するすべての人が身につけておくと良い、ITの基礎的な知識が得られる資格として人気があります。
ITパスポートの試験を受ける人は年々増えていて、令和4年では約170万人以上の人が試験に応募しています。
「IT」と言うと、「専門的な仕事の人が取るんでしょ?」と思うかもしれませんが、受験者の約80%が社会人の中で、約8割が非IT系企業の人であることから、ITスキルの重要性が高まっていることがわかります。
この記事では、ITパスポートとはどんな資格なのか、メリットやデメリット、合格率などの基礎情報から、ITパスポートは取っても意味ないと言われる理由についてまとめました。
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ITパスポートとはどんな資格?
ITパスポートとはITスキルの基礎が身につく資格
ITパスポートとは「ITを正しく理解し、業務に効率的にITを利活用することのできる”IT力”が身につく資格」と、ITパスポート試験公式サイトに書かれています。
ITパスポート試験は、ITにまつわる基礎知識を問う国家資格です。
インターネットが普及し、今やどんな分野、職種でもITの知識は必要不可欠な知識になっています。
とはいっても、まったく知識のない人がいきなり「ITスキル」と言われても、チンプンカンプンですよね。
ITパスポートは、IT系の資格の中では「入門」的な位置づけになっているので、ITの基礎知識を身につけたい、学びたい、という方にはピッタリな資格です。
ITパスポートは仕事で役に立つ?
ITエンジニアを目指す方には、ITエンジニアの第一歩として身につけておくと良い資格です。
ITパスポートで基礎知識を固めれば、次の段階でより専門的な知識が学べる基本情報技術者試験などに挑戦していくことができます。
またITパスポートでは、「情報セキュリティ」に関する知識を身につけられるので、企業の情報セキュリティに関する業務にも役立ちます。
一般事務、経理業務などでは、顧客データや重要な書類の作成なども行うので、情報セキュリティの知識は欠かせません。
ITパスポートが意味ないと言われる理由は?
ITパスポートはITの初歩的な資格だから
ITパスポートは、基礎知識が身につくので初めてITを学ぶ人にはおすすめできる資格です。
逆に言えば、「初歩的な資格だからレベルが低い」「履歴書に書くような資格ではない」と考えている人が多く、意味がない資格と言われているようです。
ITパスポートが初歩的な資格と言っても、勉強しなければ簡単に合格することはできません。
すでにITの知識があってバリバリ仕事をしている方、ITパスポートよりも上位資格を持っているような方は、改めてITパスポートを取得する必要はありません。
今後のことを考えてITスキルを身につけたい、仕事でITの知識が必要になった、という方はITパスポートを学んでみてはいかがでしょうか。
ITパスポート資格がなくても仕事ができるから
ITパスポートは国家資格ではありますが、業務独占資格や必置資格ではないので、必ず必要になるという資格ではありません。
そのため、資格がなくても仕事に困ることもなく、意味がないと言われる理由のひとつです。
業務独占資格とは?
その資格を持っていなければ該当する業務を行うことが禁止されている国家資格が”業務独占資格”です。
業務独占資格には、医師、弁護士、看護師、税理士などの資格がそれに当たります。
また、資格所得者以外の者が名乗ることができない資格を”名称独占資格”、ある事業を行う際に特定の資格保持者を必ず置かなければならない”必置資格”があります。
確かにITパスポートの資格があったからといって、その資格を持っている人だけでができる仕事があるわけではありません。
ですが、ITスキルはどんな職種でも必要な知識になりつつある現代では、誰もが身につけておいて損はない資格と言えます。
ITパスポートの資格をきっかけに、情報セキュリティマネジメント試験や基本情報技術者試験などの上位資格を目指していくことも可能です。
ITパスポートのメリット・デメリット
ITパスポートのメリット
ITの基礎知識を身につけることができる
ITパスポート試験に合格することで得られる一番のメリットと言えば、ITの基礎知識が身につくことです。
ITパスポートでは、ITの仕組み、業務内で活用するシステム、安全な使い方や注意点などを学びます。
またITパスポートはITの基礎知識だけでなはく、企業活動、経営戦略、会計、マーケティングなど、ITを活用する上で前提となる経営全般の知識までも習得することができるので、仕事をしていくうえで役立てることができます。
仕事をしていくうえで、パソコンはほとんどの場面で使用しますし、少なからずITに関わることが多く、ITスキルを身につけておくことで困りごとにも自分で解決でき、業務効率にも大きく役立つこともあります。
一生モノの国家資格になる
ITパスポートは国家資格で認知度も高いので信頼度が高まります。
また資格自体、更新などもありませんから一生モノの資格と言えます。
企業の中には、ITパスポート資格の取得を推奨しているところも多くありますから、持っていて重宝されることもあります。
参考:ITパスポートの活用事例
転職や再就職に活かせる
ITパスポートは国家資格であり、履歴書に記載しても意味がない事はありません。
ITスキルというのは目に見えるものではないので、スキルの証明にもなる資格を持っていることで、転職や再就職で役立つことがあります。
ITスキルは企業でも重視しているところが多く、持っていれば重宝される人材ですから、これまでの実務経験にITスキルも持つ人材としてアピールすることができます。
ITパスポートのデメリット
ITパスポート資格を持っていることでのデメリットは特になく、持っていて損はない資格です。
ただITパスポートはあくまでも基礎的な資格ということで、特別な評価をしない企業もあり、職種によっては全く意味がない場合もあります。
また、ITエンジニアなど、すでにIT系で働いている方、これから目指したい方は、IT資格としては難易度が低いため逆評価を受けてしまう場合もあるので注意が必要です。
ITパスポート資格の詳細
ITパスポート試験の内容
受験資格 | 誰でも受験できます |
試験日程 | 全国の試験会場で、原則毎日実施 |
試験会場 | 全国47都道府県 |
受験料 | 7,500円(税込) |
出題形式 | CBT方式 多肢選択式(四肢択一) |
出題分野 | ストラテジ系(経営全般):35問程度 マネジメント系(IT管理):20問程度 テクノロジ系(IT技術):45問程度 |
合格基準 | 総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること 総合評価点 ・600点以上/1,000点(総合評価の満点) 分野別評価点 ・ストラテジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) ・マネジメント系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) ・テクノロジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) |
ITパスポート試験の合格率・難易度
ITパスポートの合格率は、過去の実績から見てみると50%を超えていて高い合格率と言えます。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2022年度 | 231,526名 | 119,495名 | 51.6% |
2021年度 | 211,145名 | 111,241名 | 52.7% |
2020年度 | 131,788名 | 77,512名 | 58.8% |
2019年度 | 103,812名 | 56,323名 | 54.3% |
2018年度 | 95,187名 | 49,221名 | 51.7% |
引用:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構情報処理推進機構|統計資料
国家資格では合格率が低く難易度が高い資格が多い中で、約50%以上の合格率を誇るITパスポートは、難易度が低い資格と言えます。
初めてITについて学ぶ方でも、正しい知識を身につけることができれば合格を目指せる資格です。
ITパスポートのおすすめ勉強方法
独学で勉強する
資格取得の為にあまり費用をかけたくないという場合には、独学がおすすめです。
独学で学習する場合は、自分でテキストや問題集を購入したり、アプリなどを活用することで、問題なく学習ができます。
独学では自分だけで進めていくので、どうしてもモチベーションが下がったり計画倒れしてしまい、途中で挫折することが多くなってしまいます。
「自分ひとりでは不安・・」という場合は、通学するスクールや通信講座を選ぶことをオススメします。
通学制のスクールに通う
住んでいる場所の近くにITパスポートが学べるスクールがあれば、通学して学ぶこともできます。
通学することで勉強する気持ちの切り替えがつきやすく、一緒の目標に向かって頑張る人たちがいることで、モチベーションが維持しやすいメリットがあります。
また合格までの学習スケジュールも組まれているので、自分で予定を管理できない人に向いています。
スクールに通学する場合、決められたスケジュール通りに通う必要があるため、主婦の方には大変になることも。
自分のスケジュールだけでなく、家族の都合にも合わせる必要があるので、急に通えなくなる日があったり、通うことが面倒臭いと感じることもあります。
最後まで通える自信がない方は、自宅に居ながら自分のペースで学習できる通信講座がおすすめです。
通信講座で勉強する
「高い費用はかけられない、けど独学では続けられるか心配」、という場合は通信講座での学習をおすすめします。
通信講座はスクールと比べると費用面ではかなり安く抑えることができますし、自分にあったスケジュールを作ってくれるところや、疑問点は講師に質問出来るサポートがあるなど、サポートが充実しているので、独学よりも効率的に学習ができます。
価格は通信講座によって様々ですが、費用面で選びたい方はすべての学習がスマホで完結できる「スタディング」、確実に合格を目指したい方は高い合格率を公表している「フォーサイト」、紙テキストとスマホの両方をうまく活用しながら分かりやすい教材を使いたい方は「ユーキャン」がおすすめです。
ITパスポート資格・まとめ
ITパスポート資格は、取得することで様々なメリットがあり、意味がない資格ではありません。
これからITのスキルを学びたい、という初心者の方には、ITの基礎知識が学べるITパスポートはメリットが多くあります。
またITパスポートは国家資格でもありますから、知名度も高く、持っていれば一生の資格になります。
中にはITパスポートを取っても意味ない!という方もいますが、すでにIT知識を持っている人、ITスキルを活かした仕事をしている人は意味がないかもしれません。
ただそれ以外の方であれば、ITスキルが身につき、仕事へも活かすことができるので持っていて損はありません!
国家資格でも難易度が低く、チャレンジしいやすい資格でもあるので、気になる方は取得を目指してみてはいかがでしょうか。