医療事務は多岐にわたる業務が求められ、通常業務のほかに患者対応やクレーム処理などでストレスを感じることもあります。
そのため、「医療事務はきつい！」「医療事務は大変！」といった意見も多くあるのも事実です。
その一方で、その難しさを解決する方法も存在します。
例えば、クレーム対応。丁寧で冷静なコミュニケーションを心掛けることで、患者との信頼関係を築くことができます。
また、業務効率を向上させるためには、専門的なスキルやシステムの理解が欠かせません。
この記事では、医療事務がきつい、大変と言われる原因や解決方法についてまとめました。
働きやすく、やりがいを感じながら医療事務のキャリアを築くためのヒントにしてくださいね。
医療事務の仕事がきつい！大変な理由とは？
常に新しい知識を覚えていく必要がある
医療事務の仕事は、様々な業務があり、覚えることがたくさんあります。
メイン業務となるレセプト業務は、診療報酬改定が基本的に2年に1回行われているため、その都度、新しい知識を覚えていかなければなりません。
それ以外にも受付や会計業務、カルテの管理や患者さんへの対応など、日常的に行う業務は幅広く、一つ一つに対応できるように知識を身につける必要があります。
また、医療現場は常に色々な情報がアップデートされるため、新しい法令や規則などに対して常に学んでいく姿勢が大切です。
クレーム対応が大変
医療事務は病院の窓口です。
そのため、患者さんやその家族に対して一番初めに対応することになりますが、病院のイメージを壊さない為にも丁寧な対応が必要です。
病気などの体調不良で来院された方は、何かと敏感なため、病院に対してクレームを言われる方もいますが、感情的にならずに冷静に受け止め、的確に対応することが求められます。
このようなクレーム対応をこなしていく必要があり、精神的に苦痛を感じることも多く、仕事がきついと感じる方も多くいます。
患者さんやスタッフとのコミュニケーションが多い
病院の受付をおこなう医療事務では、患者さんとのやり取りは必ず発生しますが、その中で必然的に様々な患者さんと関わる機会が多くなります。
患者さんとのやり取りは感情や状況に敏感で、時には急な変更やトラブルに対応することが求められるため、丁寧かつ冷静な対応で接する必要があります。
とはいっても、時にはイライラしたり忙しくて焦ったりしても、感情を出さず、笑顔で対応をすることが求められるので、人によっては負担に感じることも。
また、医師や看護師、スタッフと連携を図りながら仕事を進める必要があるため、お互いが気持ちよく働けるよう、コミュニケーションの取り方には気を遣うこともあります。
私は医療事務の仕事をしているのですが、女性の職場なので、色々と面倒くさいことが多く、関わらないようにしていたら、あの人は変な人だと言われるようになり、孤立してしまいました。
引用：発言小町
人と関わることが苦手、コミュニケーション力に自信がないという方には、医療事務の仕事は向かないかもしれません。
時期によっては残業になることがある
医療事務がメインとするレセプトは、月末から翌月10日までに審査機関に提出する必要があります。
そのため、月末から月初は通常業務に加え、レセプト業務が繁忙期になります。
レセプトは病院の運営にも関わる大切な業務のため、決められた期間に必ず提出しなくてはいけません。
そのため、レセプト提出時期には残業になることもあります。
家庭と仕事が両立出来ず悩んでいます。
引用：発言小町
最近は女性も子供出来る迄正社員で働く方が多いとネットで拝見します。
私も医療事務で正社員として共働きしておりますが、帰宅が20時過ぎ(変形労働制の為平日は10時間労働)手取り13万、ボーナス30万の所で勤めています。
小さな子どもがいる家庭など、保育園や児童クラブのお迎えが間に合わない、子どもだけで留守番する時間が長くなってしまうなど、不安がある方は医療事務の仕事は良く考える必要がありそうです。
仕事内容が幅広く覚えることも多い
医療事務の仕事であるレセプト業務は確かに重要であり、正確な請求や保険クレーム処理は綿密な作業を要します。
しかし、それだけでなく、患者の受付、診療記録の整備、医療機器や消耗品の管理、予約の調整など、多岐にわたる業務を同時進行でこなさなければなりません。
日々の業務の中で、患者さんとの対応では感情の理解や励ましの言葉も求められます。
同時に、医療スタッフとの円滑なコミュニケーションも欠かせません。
仕事内容は幅広いため覚えることが多いので、「医療事務って結構キツイ」と感じる方も多くいます。
仕事の割に給料が低い
日々、患者さんや医療スタッフとのコミュニケーション、請求業務、書類整理など様々な業務に追われています。
この仕事は精密さや正確さが求められ、同時に柔軟性や臨機応変な対応も必要です。
しかし、その一方で給料が仕事のボリュームに見合っていないと感じることがあります。
都内のクリニック勤務4年目の40代です。
引用：ヤフー知恵袋
正社員(週35時間勤務)で税込年収380万。
残業はほぼなく、年間休日も125日ほど。
400万越えを目指したいですが、なかなか難しいですね。
医療事務は医療機関の円滑な運営に不可欠な存在であり重要なポジションですが、仕事の内容や責任に比べ、労働条件や給与が十分に評価されていないと感じる方が多くいます。
特に、仕事量が多い時には、給与がその労力やストレスに見合っていない憤りを感じることも。
ただ、医療事務は子育て中でも働きやすく、家庭と両立しやすい、自宅の近くで職場を探しやすいなど、メリットが多いのも事実です。
医療事務として働くメリットは？
景気に左右されることが少なく安定して働ける
医療事務の仕事は景気に左右されず、安定した働き方ができるのが大きなメリットです。
医療機関は絶えず必要とされ、患者の需要は常に存在します。
このため、医療事務は季節や景気の変動に比較的影響を受けにくい職種と言えます。
また、医療事務の仕事内容はレセプト業務や患者さんの診療記録の管理など、重要性は変わりません。
安定性と共に、医療事務の仕事は患者とのコミュニケーションや法令の遵守など多岐にわたり、やりがいも感じられる職業と言えます。
どの土地でも働くことができる
医療事務の仕事は、その需要が広範であるため、例えばご主人の転勤で引越しが必要になった際でも、新たな職場を探しやすいのがメリットです。
医療機関は全国に広がっており、都市部から地方まで様々な場所に存在しています。
このため、転勤があっても医療事務としての求人が比較的多く、新しい環境での就業が容易です。
また、レセプト業務や医療事務としての業務の知識やスキルは標準的であるため、異なる医療機関でも即戦力として重宝されます。
この柔軟性が、仕事の安定性と融通性を両立させ、働きやすい職業の一因となっています。
働き方に選択肢が多くライフスタイルに合わせやすい
医療事務の仕事は働き方に選択肢が多く、ライフスタイルに合わせやすいことがメリットでもあります。
多くの医療機関では、正規雇用のほかパートタイム、派遣といった雇用形態が選択できる場合が多く、それによって働く時間や曜日を柔軟に調整することができます。
子育て中の方や家庭に比重を置いて働きたい方でも比較的働きやすく、ワークライフバランスの充実を図ることができます。
医療事務のつらさや大変さを乗り越える解決方法とは？
医療事務の知識やスキルを身につける
医療事務が行うレセプトの作成には専門的な知識が必要不可欠です。
そのため、知識がないと業務をこなすのは大変でストレスがたまる原因にもなります。
医療事務のつらさや大変さを乗り越える解決方法の一つに、医療事務の知識やスキルを積極的に身につけることが挙げられます。
参考書を購入し独学で学べば安価で学習できますし、通信講座を利用すれば効率よく学習できるだけでなく、質問や添削サポートを受けながら資格取得を目指すことも可能です。
知識やスキルを身につけることで業務が円滑に進むだけでなく、仕事に対して自信を持つことができ、やりがいや充実感を感じることにも繋がります。
医療事務で働くメリットが何かを考えてみる
つらい、大変、と感じるときは、医療事務で働いている自分のメリットは何かを考えてみましょう。
・職場が家から近くて通いやすい
・時間の融通がきくので子育てと両立できる
・同僚との関係が良好で、働きやすい
・患者さんにありがとうと言われて、やりがいを感じる
何にメリットを感じるかは人それぞれです。
自分なりの医療事務で働くメリットを明確にしてみると、意味を持って働くことができますし、つらい、大変といった気持ちを切り替える手助けになってくれます。
医療事務に必要な基本のスキルとは？
基本的なパソコン操作のスキル
医療事務が行う仕事であるレセプト業務や患者さんの管理など、ほとんどの業務はデジタル化され、パソコンを使った作業がメインです。
医療事務は未経験、未資格でも働くことはできますが、パソコン操作ができないとなると、仕事になりません。
患者さんの個人情報や診療報酬を集計するレセプトは、間違いは許されない業務です。
パソコン操作がおぼつかなくて操作ミスをしてしまっては、取り返しがつかないこともあります。
最低限のパソコンスキルは身につけておくと、役に立つこと間違いありません。
パソコンスキルを身につけたい場合は、マイクロソフトオフィススペシャリスト（MOS）を勉強してみるのもオススメです。
マイクロソフトが認定している資格で、どの職種でも使われているワードやエクセルの知識を身につけることができますよ。
誰とでもコミュニケーションが取れるスキル
医療事務は患者さんはもちろん、医師や看護師、医療スタッフと良好な関係を築くことが大切です。
病院の顔とも言える医療事務は、患者さんに良い印象を与えるコミュニケーションスキルが必要不可欠。
また病院の中では普段とは違うことが起こることもありますが、何事にも臨機応変に対応できるスキルも求められます。
また、働きやすい環境を作るために病院内で働く人たちとのコミュニケーションを図ることも重要です。
1日中、人とのやり取りがある仕事だけに、人が苦手、コミュニケーションが苦手、という人には医療事務は向いていないと言えます。
自分から積極的に行動できるスキル
医療事務に必要なスキルの一つは、自分から積極的に行動できるスキルです。
医療機関では日々様々な業務が発生し、タイムリーな対応が求められます。
自発的な行動力は、予測できない状況にも柔軟かつ迅速に対応し、業務の効率を向上させるために不可欠です。
また、患者や医療スタッフとの円滑なコミュニケーションや問題解決にも積極的な姿勢が求められます。
自発的な行動力があれば、医療事務の役割をより有意義に果たすことができるでしょう。
医療事務の仕事はきつい！ここが大変！まとめ
医療事務の仕事には確かに厳しい面がありますが、その中に成長のチャンスを見つけることができます。
患者さんや医療スタッフとのコミュニケーションやクレーム対応、多岐にわたる業務に挑戦する中で、知識やスキルが飛躍的に向上し、やりがいを感じる瞬間があります。
また、医療事務の仕事は柔軟な働き方が可能で、ライフスタイルに合わせた働き方が実現できる点も大きな魅力です。
仕事がきつい、大変と言われる医療事務ですが、患者さんに感謝されたりやりがいをもって働くことができる仕事でもあります。
厳しい現場だからこそ、充実感や成果を実感することができ、医療の一翼を担う喜びを味わえる職業でもあります。
医療事務は年齢も関係なく女性が活躍できる仕事です。
きつい、大変と感じた時には、自分をスキルアップさせる調整をしてみてはいかがでしょうか。