簿記2級に興味があるけど、取っても意味ないって本当
簿記2級を取っても役に立たないの?
簿記資格に興味がある方、取得を考えている方は、「簿記2級は取っても意味ない!」という意見を耳にしたことはありませんか?
なぜ簿記2級が意味ないと言われているのでしょうか。
簿記の知識は、会社の規模に関わらず仕事をしていくうえで経理や会計に必ず必要になり、とても需要が高い資格です。
試験合格を目指す受験者も毎年数多くいるのに、なぜ簿記2級が意味ないと言われてしまうのでしょうか。
この記事では、簿記2級は取っても意味ない資格なのか、取っても役に立たない資格なのかをまとめました。
主婦が簿記2級を取得するメリット、簿記資格の詳細なども参考にしてください!
簿記2級が取っても意味ないと言われる理由は?
簿記資格を持っている人が多くて価値がないと思われている
簿記資格は広く普及していて、受験資格もないので誰でも試験が受けられるため、取得している人が多い資格のひとつです。
簿記2級試験は毎年約15万人近くの受験者がいて、その中の約20%前後の人が合格しています。
ここ数年コロナの影響もあり受験者数はグッと減っていますが、以前のように受験者が増えれば、毎年簿記2級取得者はかなり増え続けることになります。
そのため、簿記資格自体の希少性が少ない、価値が低い資格と思われている傾向があります。
また「簿記資格は簡単に取れる」と、一部の人は勘違いしているという点も挙げられます。
3級は合格率40~50%と難易度が低く、高校生が資格取得をすることもありますが、2級になれば難易度はグッと高くなりますし、3級も2級もしっかり勉強して一定の知識とスキルを身につけなければ合格することはできないので、決して簡単な資格ではありません。
資格がなくても実務経験が重要視される
簿記2級は合格率も低く、商業簿記・工業簿記の知識を身につけ、企業の経理や経営に役立てることができます。
ですが、逆に言うと簿記の知識があれば資格がなくても仕事として成り立ってしまうということです。
簿記資格は、資格を持っていなくても簿記の仕事をすることができるので、必ずしも資格が必要という訳ではありません。
実際に簿記資格は持っていないけど経理業務をしている人はたくさんいますし、企業側も即戦力が欲しいため実務経験を重視する場合も多いため、簿記2級は持っていても意味がないと言われています。
簿記資格で独立開業はできない
日商簿記は民間資格であり、国家資格ではありません。
簿記と同じように会計などのお金に関する資格で、税理士や公認会計士などがありますが、これらは国家資格の中でも”業務独占資格”と言って、その資格を持っていなければ該当する業務を行うことが禁止されている資格です。
そのため独立開業して働く人が多いのですが、簿記はそういった制限が全くないので、たとえ簿記1級を取っても独立開業をすることは難しい資格です。
将来、独立開業を目指している人からすれば、簿記2級では意味がないと思われていることがあります。
AIに代替されると思われている
AIの急速な発達によって、様々な仕事がAIに代替されると言われるようになりました。
その中でも経理業務は今後はAIに代替されると思っている方が多いため、今さら簿記2級を取っても意味ないんじゃない?と言われています。
実際に、野村総合研究所が発表した資料によると、近い将来AIに代替する可能性が高い職業として、経理事務や会計が入っていました。
ただAIが経理業務を行うことによって、正確な仕訳作業ができる、帳簿作成が楽になるなど、メリットもあるはずです。
その中で、人による判断が必要なこと、コンサルテーション、イレギュラーな処理などはAIが不得意とするところで、人の手が必要になってくることでしょう。
簿記2級は意味ないはウソ?!主婦が取るメリット4つ
転職・再就職で有利になる
簿記資格は、「就職に役立つ資格・検定ランキング」で2年連続(2021年度、2022年度版)第1位になる人気資格です。(参照:日本商工会議所HP)
どの企業でも経理は必ず必要な仕事で、簿記資格は民間資格でありながら認知度があり、高く評価されているので、転職や再就職では有利になってきます。
ただ、資格を持っているだけで有利になるのは、新卒者や20代の第二新卒まで。
30代、40代に求められるのは、すぐに戦力となる実践力のある人材、職場の人たちと円滑に仕事ができるコミュニケーション能力です。
そのため、今までの実務経験を活かしてどのように働いていけるか、簿記2級を取得するために努力したことなど、具体的なアピールをすることで採用担当者に好印象を持ってもらうことができます。
次の資格へのステップアップに役立つ
簿記2級を取得できれば、更にステップアップを目指して上位資格の取得に役立ちます。
簿記2級は経営や会計など、会社を運営していくうえで必要不可欠なスキルを身につけることができるだけでなく、より高度な資格を取ってステップアップすることができます。
例えば、簿記2級を取得したあとに簿記1級や公認会計士を目指すことができますし、簿記1級が取得できれば税理士の受験資格も得られます。
また、簿記2級と相性が良いダブルライセンスを目指すことで、更に強みを持つことができます。
- ビジネス会計検定
- 中小企業診断士
- 販売士
- ファイナンシャルプランナー
- 宅地建物取引士
- 社会保険労務士
簿記と相性が良い資格は、独立開業を目指せるものが多いので、将来的に独立して働きたいという方にはダブルライセンスの取得はおすすめです。
資格手当や昇給で収入アップ
簿記2級は高く評価される資格で、取得している人材は重宝されます。
そのため、資格手当がついたり昇給するなど、収入アップに繋がりやすくなります。
簿記2級では、おおよそ1,000円~5,000円程度の資格手当がつくとされています。
仮に月5,000円の資格手当がつけば、年間で60,000円の収入アップが見込めます!
また、転職や再就職で資格未取得の実務未経験者と比べて、資格保持者であれば年収アップも期待できます。
家計管理にも役立つ
簿記は企業の経営や会計に役立つ経理についてのスキルが身につきますが、これらは家庭内でのお金の管理にも役立つことができます。
簿記の知識を活用することで、家庭内の収入や支出が正確に把握できるようになります。
家計簿では何にいくら使ったのかが曖昧になってしまうことがありますが、簿記でいう「勘定科目」の認識がしっかりしていると、使ったお金の仕訳けがスムーズにできるようになりますし、予算を立てたり貯金や計画的な支出等を立てられるようになります。
また税金や確定申告、債権や債務の管理でも内容を理解し、経済的な不安からも解消されるようになります。
そもそも簿記はどんな資格?
簿記は企業や個人経営の家計簿のようなもの
簿記は、企業や個人経営者にとって大切なツールです。
家計簿をイメージすると分かりやすいです!
家計簿では、お金の収入と支出を記録し、お金の流れを把握しますよね。
それと同じように、簿記はお金に関する情報を整理し、会社や個人の経済状況を把握するための手法です。
例えば、企業が商品を売ったり、経費を支払ったりする際、それらの取引を詳細に記録します。
これによって、会社の利益や損失、資産の状況が把握でき、経営の方針を立てるのに役立ちます。
同様に、個人経営者も自分のビジネスの健康状態を把握するために簿記を使います。
最もメジャーな資格は「日商簿記」
日商簿記は日本で最も広く知られ、メジャーな資格の一つです。
これは、会計や簿記に関するスキルを証明する資格で、多くの企業や仕事で高く評価されています。
名称 | 日商簿記検定試験 |
試験級 | 1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級 |
試験方法 | 1~3級:筆記試験 簿記・原価計算初級:コンピュータ試験 |
試験日時 | 1・2・3級:6月の第2日曜日、11月の第3日曜日 2級・3級CBT:随時 簿記・原価計算初級:随時 |
受験料 | 1級:7,850円 2級:4,720円 3級:2,850円 簿記初級:2,200円 原価計算初級:2,200円 |
受験資格 | 誰でも受験ができる |
合否基準 | 100点満点で70点以上が合格 1級は1科目ごとの得点が40%に満たないものは不合格 |
簿記2級は意味ない?まとめ
簿記2級は、持っていて意味ない資格ではありません。
むしろ、キャリアップや家計管理に大いに役立つことができます。
簿記2級は転職や再就職などを考えている方にはアピールポイントとなり、幅広い職種でのキャリアチャンスを拡げられます。
また家計の管理が効率的にできるようになり、安定した生活を送るための手助けになり、仕事と日常生活の両面でスキルアップを実現することができると言えます。
簿記2級を検討している方は、家庭とキャリアの両立を目指して資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。