保育士に興味があるけれど、保育士になるための具体的な方法や資格の取得条件が気になっている方もいるのではないでしょうか。
子育てを経験してきた主婦の方なら子育て経験を活かすことができますし、子どもが好きな方にもおすすめできる資格です。
保育士資格には年齢制限があるのか?資格取得には何が必要なのか?
この記事では、保育士資格を取得するための受験資格や試験の難易度、合格率、メリット・デメリットについてまとめました。
保育士になるにはどんな資格が必要?
保育士は「保育士」資格が必要
保育士として働くためには、一般社団法人全国保育士養成協議会が主催する「保育士試験」に合格する必要があります。
保育士資格は児童福祉法第18条の4で定められた国家資格です。
資格を持っている人だけが「保育士」と名乗ることができます。
資格を持っているということは、保育についての専門的な知識や技術、指導を行うことができるスキルを持っていることの証明になります。
資格がないと保育士として働けないの?
保育士の資格を持っていない人は「保育士」として名乗ることはできませんが、保育施設で働けないわけではありません。
無資格でも保育士さんのサポートを行う「保育補助」として働くことができます。
保育補助の仕事は働く施設によって様々なため、働く場合は業務内容をきちんと確認しておくことが必要です。
また業務形態はパートやアルバイトになるため、給料はあまり期待できません。
保育士になるにはピアノが弾けないとダメ?
保育士というと「ピアノが弾けないと資格が取れないんじゃないの?」と心配に思っている方も多いと思います。
保育士資格はピアノが弾けなくても取得することができます。
保育士試験には「筆記試験」と「実技試験」が行われます。
その実技試験では、3つの分野から2つを選択して試験を受ける必要があります。
- 音楽表現(楽器演奏)
- 造形表現
- 言語表現
「音楽表現」を選択しないで、「造形表現」と「言語表現」を選択すれば、ピアノ演奏をする必要はありません。
ピアノが弾けないことが就職や転職に不利になる可能性もなくはありませんが、保育士の人材が不足している昨今ではピアノが弾けなくてもそれほど心配することはないと思われます。
ただ、保育活動の中でピアノを弾く場面は少なくありませんから、機会があれば練習しておくと良いですね。
保育士の仕事や働ける場所は?
保育士の仕事内容
保育士は保護者の代わりに子どもたちの身の回りのお世話から、心身の成長を促すためのサポートをしていきます。
季節によって活動が変わって着たり、運動会や発表会、お誕生会など色々な行事があるのでその時々で仕事内容は変わってきますが、保育士の大まかな1日の流れは以下のようになります。
朝 | 子どもたちの健康状態を確認しながら受け入れを行い、朝の挨拶からはじまって体操や外遊び、お散歩などの活動を行います。 |
昼 | お昼ご飯の準備をしながら、子どもたちがお昼ごはんを食べるためのうがい、手洗いのサポート、一緒にごはんを食べながら歯磨きや排せつ、着替えなど、お昼寝の準備に入ります。 子どもたちがお昼寝をしている間に、子どもたちの様子を連絡帳に記入していきます。 またお昼寝中は保育士の休憩時間になったり、打合せをすることもあります。 |
夕 | 子どもたちがお昼寝から起きたらお着替えやお片づけをしておやつの準備、おやつを食べて、保護者のお迎えまで外遊びなど自由な時間を過ごします。 子どもたちが帰ったあとあ片付けや掃除を行い、明日の準備をして1日が終わります。 |
他にも、日常やイベントなどで使用するものを制作したり、園庭や部屋の片づけや掃除、ミーティングなど、仕事内容は多岐にわたります。
保育士が働ける施設
保育士は、保育園やこども園だけが働く場所ではありません。
子どもを預かる様々な施設で保育士として活躍することができます。
- 児童養護施設
- 知的障害児施設
- 知的障害児通園施設
- 盲ろうあ児施設
- 肢体不自由児施設
- 重症心身障害児施設
- 情緒障害児短期治療施設
- 乳児院
- 母子生活支援施設
- 児童厚生施設
- 児童自立支援施設
保育士のメリット・デメリット
メリット
求人が多くあるため希望の職場が見つかりやすい
保育施設の待機児童問題が大きく取り上げられ年々保育施設は増えていますが、働き手の保育士が不足しているのが現状です。
必要とされる保育士数 約46.0万人
離職率等を考慮した保育士数 約38.6万人
保育士数 約7.4万人不足
引用:厚生労働省 平成21年度保育士の需給等に関する調査研究報告書
保育士不足のため求人が多く、比較的希望する条件にあった職場が見つけやすい環境にあります。
現役で働いている保育士さんであれば、新年度に向けた採用が増える10月から12月は求人が多く、自分の条件にあった保育施設を探しやすくなります。
新たに保育士として働きたいと考えている人なら、保育士の欠員を補うためにすぐに働ける人材が必要となる年度初めから夏頃の求人なら有利な条件の保育施設を見つけることができます。
ライフスタイルに合わせて働きやすい
保育士として働く場合、正社員、パート、午前または午後の勤務など雇用形態がの選択肢が多く、働き方が選べる、自分のライフスタイルに合わせて働くことができます。
子育てや家事が忙しい主婦の方なら午前中勤務やパート勤務、自分の時間が作れるようになった方なら正社員でガッツリ働くことも可能です。
資格があれば離職期間があっても再就職しやすいので、一時的に働けない時があっても、また働けるようになったらしっかり働くことができます。
子育て経験を活かして働くことができる
子どもを育ててきた主婦の方なら、子育て経験を活かしながら保育士として働くことができます。
初めて小さい子どもに接する人は、知識では分かっていても実務となると思った通りに行かないことが多く、どうしたらよいか分からなくなることも多くあります。
でも実際に子どもを育ててきた方なら保育士としての知識にプラスして、自分の経験からどうやって対応するべきか即座に行動することができます。
幅広い年齢層が活躍できる
保育士は何歳になっても働くことができるのが特徴です。
保育士として働く年齢層を調べたデータを見てみると、40歳以上が4割もいることが分かります。
保育士さんは若い世代の印象がありますが、実は幅広い世代で活躍することができます。
働く気力があれば60歳以降でも保育士を務めることができるので、「元気なうちは長く働きたい」と考えている方にはピッタリな資格と言えますね。
デメリット
重労働のわりに給料が少ない
乳幼児の保育はかなりの重労働です。
ぐずる子供たちをずっと抱っこやおんぶする、子どもたちを追いかけまわって常に動いている、あれこれ運んだり片付けたり、保育以外でも行事の準備や会議、研修、保護者への対応など、業務量はかなり多い仕事です。
仕事量も多く、重労働の割に給料が少ない職場が多くあるのが現状です。
厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査では、保育士の給料が全職種の給料に比べて数万円低い結果になっています。
ただ厚生労働省では、保育士人材不足の深刻化に対して処遇改善に取り組んでいるので、今後は給料面でもより働きやすい環境が作られていくはずです。
保育士資格の概要・難易度・合格率
保育士資格の詳細
保育士資格は厚生労働省が認定する国家資格です。
保育士資格は受験資格があり、条件を満たしていないと試験を受けることができません。
保育士資格を取得したい方は、まず初めにチェックしておきましょう。
主催 | 一般社団法人全国保育士養成協議会 |
受験資格 | ●大学、短大卒 保育士と関係がない学部や学科の出身でも受験資格があります ●専門学校卒 学校教育法に基づく専修学校の専門課程を卒業、修業年限2年以上の専門課程を卒業であれば受験資格があります ●高等学校卒 平成3年3月31日以前に卒業している場合、または平成8年3月31日以前に高校の保育科を卒業している場合は受験資格があります 平成3年4月1日以降に卒業している場合は、児童等の保護または援護に従事した勤務経験が2年以上かつ2880時間以上の実務経験が必要 ●中学卒 児童等の保護または援護に従事した勤務経験が5年以上かつ7,200時間以上の実務経験が必要 |
試験日 | 年2回 前期(4月:筆記、7月:実技) 後期(10月:筆記、12月:実技) |
受験料金 | 12,950円 |
難易度 | 合格率は19%〜25% 保育士試験に合格するには100時間〜150時間程度の勉強時間が必要 筆記試験が9科目あり、それぞれ6割以上の点数を取らないと合格できない 筆記試験、実技試験ともに合格しないと保育士資格は取得できない |
保育士資格を取るための条件が厚生労働省のHPにわかりやすいイラストで掲載されていますので、確認しておくと安心です!
保育士資格の難易度・合格率
保育士試験の令和3年実績を確認すると、合格した人は全体の2割前後で難易度は高いと言えます。
合格率が低い理由は、筆記試験の9科目すべてに対して6割以上の得点をする必要があるためです。
6割未満の科目が1科目でもあると、不合格になってしまいます。
ただ、合格した科目は3年間有効になるので、その間に不合格だった科目を再試験して合格を目指すことが可能です。
また試験は年に2回開催されているので、他の国家資格と比べると受験回数も多いので合格を目指すチャンスは多いと言えます。
とはいっても、試験は簡単ではなく難易度も高いため、しっかりと勉強していく必要があります。
保育士資格の勉強におすすめ!資格講座
ヒューマンアカデミー
コース・受講料金 | ・保育士【完全合格】総合講座 59,000円 ・保育士【完全合格】講座 46,000円 ・保育士【完全合格】講座(幼稚園教諭免許保持者) 42,000円 |
学習教材 | ・テキスト ・eラーニング ・試験対策セミナー ※以下総合講座のみ ・DVD、CD ・子どもの安全対策VR教材 ・実技試験 絵本サンプル |
メリット | ・一般教育訓練給付制度対象講座 ・スマホやタブレットでいつでもどこでも動画で学習できる ・実技試験対策には講義映像や添削、セミナーがあり ・実技試験直前に、講師から直接指導を受けられるオンラインセミナーを開催 |
【参考】ヒューマンアカデミー「保育士講座」の口コミ・評判は?合格率や料金をまとめました
キャリカレ
コース・受講料金 | 保育士受験対策講座 ハガキ申込価格78,800円(税込)、WEB申込価格68,800円(税込) |
学習教材 | ・筆記試験対策万全のテキスト ・採点ポイントに沿った映像講義 ・合格を万全にする一問一答&過去問題 ・理解を深める保育所保育士指針 解説書 |
メリット | ・ネットから申し込むと1万円割引 ・試験に不合格だった場合、受講料を全額返金 ・保育士試験に合格すると、2講座目が無料で受けることができます ・質問は専任講師に何度でも質問できる ・受講開始から最長3年間まで無料で学習サポート |
【参考】キャリカレ「保育士講座」の口コミ・評判は?合格率や料金をまとめました
ユーキャン
コース・受講料金 | ・保育士講座 59,000円 |
学習教材 | ・メインテキスト 9冊 ・副教材(でる保育士、過去問題集、ガイドブック、保育所保育指針・幼稚園教育要領、実技試験対策BOOK、実技試験対策CD・楽譜) ・学びオンラインプラス(オンラインサービス) |
メリット | ・一般教育訓練給付制度対象講座 ・ポイントを絞り込んだオリジナル教材で効率よく合格力が身につく ・スマホやタブレットでいつでもどこでも動画で学習できる ・受講期間中に法改正などがある場合、最新情報を知らせてくれる |
【参考】ユーキャン「保育士講座」の口コミ・評判は?合格率や料金をまとめました
フォーサイト
コース・受講料金 | ・保育士 スピード合格講座「筆記試験対策」バリューセット1 35,800円 ・保育士 スピード合格講座「筆記+実技試験対策」バリューセット2 38,800円 |
学習教材 | ・メインテキスト3冊 ・問題集3冊 ・資格マンガ ・eラーニングManaBun(マナブン) |
メリット | ・フォーサイト独自のeラーニング「ManaBun(マナブン)」で学習できます ・ManaBun(マナブン)が学習スケジュールを自動で立ててくれます ・スマホ、タブレット、パソコン学習ができるので、移動時間や待ち時間などスキマ時間を有効活用できます ・最短6ヶ月で合格が目指せる合格点主義の教材 ・学習効果が高い、フルカラーで記憶に残るテキストとデジタルの両方を使って効率的に学習ができます ・メールによるサポート体制 |
【参考】フォーサイト「保育士講座」の口コミ・評判は?合格率や料金をまとめました
三幸保育カレッジ
コース・受講料金 | ・保育士受験対策講座 46,200円~ |
学習教材 | ・全9科目 科目別テキスト:9冊 ・資料集 ・課題集(全9科目) ・練習問題集 ・過去問題一問一答 ・実技対策DVD(全3巻) ・実技対策BOOK |
メリット | ・一般教育訓練給付金の対象講座 ・保育士試験の過去問題を解答・解説付きで掲載、無料で閲覧できます ・マンガと連動のテキストで効率よく勉強ができます ・自宅学習ができる実技試験対策教材で、実技試験の流れ、対策のポイント、効果的な練習方法を自宅で練習できます ・実技の個別レッスンや試験直前対策セミナーもオプションで選ぶことができます |